信頼関係を築くコツ
会話の中で意識すべきポイント
信頼を得るためには

利用者家族との信頼関係を築くコツとしてまず挙げられるのが、会話をつなげることです。忙しいからといって、簡単な返答だけで終わらせないようにしましょう。冷たい人という印象を持たれてしまいます。利用者家族から話しかけられた際には、きちんと会話をつなげて、話しやすい雰囲気を作ってください。いつもと違う話題が出た時は、気になることがないかなどをこちらから尋ねてみましょう。
また、利用者家族が疲れている様子が見受けられるなら、さりげなく体調を気遣う言葉をかけましょう。こちらの言葉に対して相手が反応し、話しかけてきたらきちんと耳を傾けてあげてください。話を聞いてもらえるだけで心が軽くなるかもしれません。それが結果的に、信頼を得ることにつながります。ただし、相手が体調のことについて話したくない雰囲気なのであれば、無理に聞く必要はありません。
話すスピードについても意識しましょう。基本的に、家族対応の際は相手の話すテンポに合わせることが大切です。相手よりも早口になってしまうと、落ち着きがない人だと思われてしまいます。また、相手が聞きたいことをためらってしまう可能性もあります。
信頼関係を築くためには、相手の悩みに対して結論を伝えるだけでは足りないこともあります。相談してくる人の多くは、「話を聞いてもらいたい」「気持ちを知ってもらいたい」と思っています。そのため、明確なアドバイスも大切ですが、相手の気持ちに寄り添って丁寧に話を聞く時間を作ることも必要です。
言葉遣いについて
専門用語を使わないようにしましょう。一般人には伝わらないこともあります。専門用語を使うと、相手は理解することができず不信感を抱いてしまいます。具体的には、「ADL」「褥瘡」「嚥下」「ケアプラン」といった単語です。介護士にとってはなじみ深い単語ですが、あくまでスタッフ同士でしか伝わりません。家族対応で利用者の様子を伝える際には、専門用語を使わずに分かりやすい言葉に変換してください。
また、質問に対して返答する際の言葉遣いに注意してください。「最近の調子はどうでしょうか」など、利用者の様子をうかがう質問をされます。その際に、「お変わりないですよ」などと返答する人も多いのではないでしょうか。無難な返答ではありますが、それだけだと相手は「ちゃんと見てくれているのだろうか」と不安になります。特に変化がない時でも、「こういった会話をした」などの情報を付け加えることで、日頃からきちんと利用者のことを見ているという印象を与えられます。