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介護現場でクレームが多い理由

クレームが多い理由

利用者家族からの理不尽なクレームも多い

理不尽なクレームとは

理不尽なクレームとは

理不尽なクレームは、内容と様態のどちらに問題があるのかによって対応が変わってきます。内容が理不尽なクレームとは、「父の食事には好物の○○を必ずつけなさい」といったものです。介護現場では、利用者の健康状態を考慮してバランスの取れた食事を提供しています。また、利用者ごとに公平な食事を提供しなければなりません。そこで、特定の食品の提供を強要するのは理不尽なクレームといえます。
一方で、様態が理不尽なクレームとはどういったものでしょうか。例えば、転倒事故があった際に、「どういった対応をしたのか詳しく説明しろ」といった要求があったとします。事故への対応について説明を求めるのは、内容的には理不尽ではありません。しかし、説明を丁寧にしているのにもかかわらず、何度も何度も昼夜を問わず連絡してきたり、直接訪問して職員を怒鳴りつけて罵倒したりといった場合は、どれだけ理由が伴っていても様態は理不尽であるといえます。

クレームが多いのはなぜか

なぜ介護現場ではクレームが多いのでしょうか。利用者は高齢のため身体能力や認知機能が弱まっています。その上で、介護士は適切な介護を提供しています。しかし、利用者家族は利用者本人の状態を詳しく把握しておらず、自分の身内が適切な介護を受けていないと判断するケースも少なくありません。また、利用者家族は介護士が何でも対応してくれると思い込み、要求がエスカレートする傾向にあります。自分が在宅で行っていた介護が当たり前で、同じ対応をしてくれると思っている人もいるようです。大切な家族に対して手厚い介護を望むのは悪いことではありません。しかし、介護士としてできることには限界があります。この認識のズレが、クレームにつながります。生活に密着しているサービスだからこそ、介護士はクレームを受ける機会が多くなるようです。

我慢してしまう人が多い

クレームを受けた際、「自分のせいだから」と我慢してしまう人も多いようです。これは、福祉という分野の性質上、「困っている人を助ける」「人の役に立つ」という奉仕の精神が根本にあることが原因と考えられます。介護士は利用者本人の状態や利用者家族の希望を理解した上で介護を実施しています。そのため、それに沿わなかった場合にクレームがくるのは仕方ないと受け入れている人も少なくありません。また、「クレームがくるのは自分の対応が下手だから」「自分が介護士として未熟だから」と考えてしまうケースも多いようです。