よくあるクレーム
特に多いのはこの3つ
貴重品の紛失に関するクレーム

家族対応においてよくあるクレームの1つが、貴重品の紛失に関することです。介護施設は共同生活をする場所なので、高価な物品などは持ち込まないようにお願いしています。また、物品の紛失を防ぐための持ち物チェックも都度行っています。しかし、どれだけ対策していても、利用者が施設内のどこかに貴重品を置き忘れたり、紛失したりすることがあります。その際に、紛失したことが利用者本人から利用者家族に伝わり、クレームに発展します。自分で紛失したのではなく、介護士のせいで紛失したと決めつけてくるケースも少なくありません。その上、弁償を求められることもあります。
その場合は、報告書を本部へ提出し、対応を待つことになります。正式な手順を踏んで対応を進めることになるので、ある程度の時間がかかってしまうのは仕方ありません。しかし、その間も利用者家族から「早急に対応してください」といったクレームがくることがあります。
入浴に関するクレーム
通所介護の場合、利用者の入浴を希望されるケースが多くあります。入浴時には事前に体温や血圧などのバイタルチェックを行い、入浴が可能かどうかを判断します。その際に、基準値よりも高い数値だと入浴を中止します。しかし、利用者家族の中には「お金を払ってお願いしているのになぜ入浴させないのか」「血圧はいつも高いからこれくらいなら問題ない」「こちらが許可しているのだから入浴させろ」といったクレームをする人もいます。具合の悪い利用者本人のことを考えず、執拗にクレームの連絡がくるので、介護業務を実施する時間が削られる点も大きな問題です。
転倒に関するクレーム
特に注意が必要なのは、転倒に関するクレームです。介護施設での転倒は絶対に発生しないよう、介護士は常に注意しています。しかし、こちら側がどれだけ注意していても、そのリスクをゼロにすることはできません。利用者によっては、夜間に突然立ち上がって介護士が駆けつける前に転倒するケースもあるでしょう。転倒があった際は病院に連れていき、利用者家族への謝罪を行います。その際に、転倒に対するクレームだけでなく、「利用料金を払わない」といった旨の発言をする利用者家族も少なくありません。一般的に、転倒のリスクは承知の上で介護サービスは利用するものですが、それを理解していない人もいます。こういったクレーム対応は慎重に行わなければなりません。対応を誤ってしまうと、施設全体の責任問題になり大きなトラブルに発展する可能性があります。