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家族対応は重要なサービスの1つ

介護士が提供する「サービス」とは何か?

サービスの根本を理解しよう

本質サービスと表層サービス

本質サービスと表層サービス

介護士が提供するサービスは、本質サービスと表層サービスの2つに分けられます。本質サービスとは、顧客のニーズや期待を満たすために提供されるものです。サービスの中心的な利益や価値に重点が置かれます。介護サービスにおいては、利用者が安心して暮らせる環境や介護の提供になるでしょう。そのためには、適切な健康管理や安全確保、身体介助などが必要になります。
一方で、表層サービスとは本質サービスの提供を実現するために必要なアクションや製品の特長などを指します。介護サービスにおいては、利用者の食事内容や施設内の設備、イベントへの参加、リハビリテーションの具体的なプログラムなどのことです。本質サービスの提供を念頭に置く必要がありますが、利用者本人や利用者家族の目が向くのは表層サービスです。そのため、表層サービスが充実していなければ満足度は向上しません。特に、介護士の言葉遣いや態度などは注目されるポイントです。どれだけ本質サービスの提供を意識して取り組んでいても、家族対応などの表層サービスが疎かになってしまっては信頼を得ることはできません。本質的な価値を提供するためには、表層サービスが伴っていなければならないのです。利用者本人だけでなく、利用者家族にとっても快適な環境を整えることが質の高い介護の提供につながります。

コミュニケーションの取り方

介護士はどういった視点を持って利用者家族とコミュニケーションを取るべきでしょうか。人と人が直接コミュニケーションを取るため、いわゆる「合う・合わない」は必ず生じます。しかし、そのことについてサービスを提供する側から伝える必要はありません。利用者家族と信頼関係を築くためには、相手のニーズや気持ちを汲み取りながら、可能な範囲で支援していく姿勢が求められます。

真摯に対応することが大切

利用者家族との信頼関係はすぐに築けるものではありません。焦らず真摯にコミュニケーションを取る必要があります。信頼関係を築くことは、安易に相手の要望を叶えることではありません。介護士としての役割を超えたサービスを提供するのではなく、自分たちの役割を丁寧に説明することが大切です。
また、それぞれが職場の代表として利用者家族と向き合っているという意識を持つ必要があります。独善的な視点ではなく、あくまで客観的に物事を考えてください。その上で、マナーを守りながら接することが、正しい家族対応の形です。